答え
超高齢化社会の時代となり、終活と称して葬儀や供養のビジネス化・合理化が急速に進み、テレビやインターネットの広告でも頻繁に見かけるようになりました。遺骨を埋葬した上にシンボルとなる木を植え墓標とする「樹木葬」、遺骨を粉末にして海や山に撒く「散骨」、さらにはカプセルに入れて打ち上げ、宇宙空間に散骨する「宇宙葬」など、納骨も非常に多様化して来ていることが分かります。
これらは個性的で魅力的に見えるかもしれません。しかし一方で、そこには個人の趣向ばかりが追求され、宗教性が失われているように思われます。お墓は本人だけの問題ではなく、残された家族にも長く関わっていくことになります。流行に流されることなく、将来まで見据えた上でしっかりと考えていく必要があります。
近年は様々な理由からお墓の維持継承が難しくなってきたのも事実です。真宗のお寺でも合同墓や納骨堂も増えていますし、本山東本願寺の大谷祖廟(親鸞聖人墓所)にも合同墓がございますので、まずはお近くのお寺に相談しましょう。
お骨は私たちにとって道しるべです。私たちに先んじて諸行無常の厳しい人生を歩まれ、お浄土へと還られた先祖を通して、自らの生き方が問い直されていくことが何よりも大切です。
どのような形の納骨となっても、お参りする時、そこに先祖が偲ばれ仏法と出遇う場となることが何よりの供養となります。
(第6組 角善寺 梅田 弘則)