答え
先祖代々大切に守られてこられたお墓を、「墓じまいしたい」と。大変な事態になってきました。そもそも、お墓やお仏壇は、亡き方々が命をかけて私達にまで本当に尊い「命」を届けてくださった「諸仏」としお偲びし、この私が命を精一杯生ききっているかを確認させて頂く『よりどころ』としてあるものではないかと思います。お亡くなりになられた方だけをお祀りしているだけではなく、亡くなっていかれた先人達の願いを聞かせていただき、やがて私達も浄土へ帰っていく存在であり、「今」を本当に生きているかと、問われている声なき声に耳を傾ける場ではないでしょうか。すなわち「迷わずに方向を見つけてくれ」という願いなのではないでしょうか。
例えば、お墓を処分し納骨堂や合同墓に改めて埋葬するという方法が御座います。大切にされてきたお墓ですので安易な気持ちで考えることは好ましいこととは思えません。しかし、お参りに行けない事情や、後のことをしっかり考えた上で執り行うのであれば、遷すことは決して悪いことではないと思います。
お参りに行けずに無縁墓になることほど残念なことはありません。ですから、今後最もお参りしやすい環境にすることで、そのためであれば、ある意味大切なことといえるでしょう。お仏壇を処分したとしても、ご縁のあるお寺でお参りをして頂くこともできるかと思います。
(第12組 圓滿寺 杉本 潤)