「Q&A」 帰命ってなに?

投稿日:

答え

「帰命」とは、「正信偈」に「帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい=無量寿如来に帰命し)」とあるように、

阿弥陀仏からの呼び声であります。

 

「帰」とは、したがうという

「命」とは、いのちと仰せという

 

すなわち帰命とは「いのちの言葉に出遇ってくれ」という呼び掛けであります。

以前、友人と居酒屋で呑んでおりますと隣の席で喧嘩が勃発しました。私は何のことやら分からず成り行きを見ていました。すると友人が「ちょっと待て!」と仲裁に入りました。

喧嘩は、お店にも迷惑がかかるだけでなく他のお客様にも迷惑がかかることを見越し、友人は止めたのでしょう。喧嘩は、お互いの些細な意見の食い違いから大きくなるのでしょう。喧嘩の当事者の一人は、その後私達と一緒に話すことになり、心を落ち着け成り行きを話してくれました。最後には喧嘩を止めてくれたことを感謝しておりました。声が届いたということなのでしょう。

生活の中で自分の思いで生きていると、自分の物差しを振り回し他を傷つけるだけでなく、自分をも傷つける。そんな私達に帰命「命に帰れ」と、はかる(量)物差しばかりではかりしれないもの(無量)を持っていない私達に、仏は「大丈夫か?どこに向かって生きているのか?」と、声を掛け続けてくださっている、それが「帰命」なのではないでしょうか。

(第12組  圓滿寺  杉本  潤)