答え
法事は一周忌、三回忌などにお勤めをする年忌法要のこと、祥月とは故人がお亡くなりになった同じ月日のことであり正式には祥月命日と言い、一般的に命日と言ったりもします。
本来の年忌法要は祥月命日に執り行うものでしょうが現状はそれよりも前にされる場合が大半です。それはご家族やご親族に様々な都合があるからです。あるご門徒さんが「うっかり祥月命日が過ぎてしまったので今回の年忌法要はやめようと思います」とおっしゃったこともありました。
では、なぜ祥月命日の後よりも前なのでしょうか?そこが一番の問題点でしょう。法事は遅いよりも早い、早いよりも当日が良いに決まっていると考えていることや、自分や家族に悪いことが起きないで良いことが起こるように先祖に見守ってほしいと思っていることなど、先祖や法事に対する考え方が間違っているのです。そもそも物事に良い悪いがあると思っているのは錯覚であると説かれるのが仏法です。
お身内の仏さまはみな諸仏といい、今生きている私たちに対して「阿弥陀仏にたすけてもらいなさい」と呼びかけてくださっているのです。それに応えて阿弥陀様に向き合い、教えを聴き、自分を知り、阿弥陀仏におまかせするしかないと再確認することが法事を勤める意味なのです。
このような理由で、法事はいつするのかとなると、出席者の都合を考えて適当な日に決める、でよろしいかと思います。
(第7組 本照寺 沖野 賴唯)