答え
お内仏の中央にいらっしゃるご本尊の左右に掛かっているお軸の事なんですけど宗派によってそれぞれ違いがあります。真宗では右は「帰命尽十方無碍光如来(十字名号)」左は「南無不可思議光如来(九字名号)」と言葉で表されています。よくご覧になっていただくと、どちらも蓮の華の上に書かれています。という事はどちらも仏様なんですけれども両方とも阿弥陀様の別名です。では、ご本尊は南無阿弥陀仏と六字のお名号になっていますが南無阿弥陀仏って一体何なの?ってところが正直な思い出はありませんか?実はお釈迦様の時代の言葉でナマス・アミターバ(アミターユス)・ブッタがお名号の源なのです。ナマスとは「委ねます」とか「お任せします」という意味で帰命とも訳されます。アミダはアミターバ(無量の光)やアミターユス(無量の寿)を意味するものです。ブッダは如来様の事です。すると帰命無量寿如来も六字名号と同じ意味を持つお名号ってことが見えて参ります。昭和時代の真宗のお坊様に金子大栄って偉い方のご遺訓に「言葉の通じないのが地獄、言葉のいらないのがお浄土(悟りの世界)、言葉の必要なのが人の世界。」と残してくださいました。それならば、と五劫思惟の末言葉の仏様になって下さったのが阿弥陀様です。言葉というのは念じるだけで私を奮い立たせる働きがあります。「ただ念仏してみだにたすけられまいらすべし」のお言葉が光輝き出します。
(第15組 大長寺 沼田 和隆)