答え
不安の中にある時は何をしていても安心を感じられなくてつらいですよね。さて、あえて分けるとすれば不安には二つあると思います。一つは、例えばお墓をどうするのかや、行政の手続きなどの具体的な不安です。これらは頭の中でぐるぐる考えるはではなく、すべて紙に書き出して頭の中から出してみると解決がつけやすくなります。
もう一つは、言葉にならないもやもやとした心の底にある不安です。この不安は誰もが持つ不安で、独居であろうと大家族であろうと関係なく起こってきます。そして、こちらの不安を考えていくのが仏道です。
浄土真宗を生きられた方々は不安を「仏様のお育て」としていただいてきました。どういうことかと言いますと、不安を追い払おうとするのではなく、視点・視座を換えて「この不安は私に何を気づかせようとしているのだろう」「この不安は何を教えてくれているのだろう」と考えてみることです。不安は私たちを困らせる厄介者としてやってくるものではなく、自分の本心からの「サイン」なのです。
問題の答えは、自分の外側に求めてあるのではなくて、自分の内側にあるのです。浄土真宗を開かれた親鸞様も我々と同じように不安と向き合われました。天満別院で仏様、親鸞様の言葉を通して、ご一緒に心の声に耳を傾けてみませんか。
(第13組 常稱寺 今井 健太郎)