「Q&A」位牌は作る必要がないのですか?

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答え

 真宗では位牌を作ることは致しません。お葬儀の際には白木の位牌をお手次のご住 職さんがお書きになられますが、白木の位牌は満中陰までしかお飾りいたしません。そ の後は漆塗りの位牌ではなく、法名軸か過去帳にご法名を記していきます。

 過去帳の中には亡くなられた順ではなく日にちが記載されているものもございます。 亡くなられたご命日の日にご法名を記し、そして毎日日めくりカレンダーのごとくめ くっていきますと、ご法名のある日や白紙の日がありますが、私を私にしてくださっ たご縁あるご先達の方々は白紙のページであろうと必ずおいでです。その眼には見え ない、お顔もご法名も名前も存じ上げないご先達方の繋がりやご縁、そして、ご先達 のご苦労を感じさせていただき感謝するとともに、脈々と繋いでくださってきたお念 仏の教えに今私が出遇わせていただいていることに気づかされるのです。南無阿弥陀 仏とは故人を弔うために唱える念仏ではなく、無きご先達の方々が無数の仏様となら れ常に私にお念仏を称えよ、阿弥陀如来の教えに出遇って欲しいと願われ、そして勧めてくださっているのです。

 ついついご法名を記したページばかりを開きっぱなしにしてしまいますが、白紙のページがまた大切なご縁なのです。

 ですので真宗では位牌ではなく、法名軸か過去帳に法名を記し脈々と繋がってきたご縁やお念仏の教えに今、私が出遇わせていただくのです。

(第12組 円照寺 桑田 和貴)