答え
念珠は、各宗派の教義の違いにより、独特の形式を生み出していくようになりました。基本的には百八個の玉をつないだ輪は変わりありません。この百八という数は、除夜の鐘の回数と同じです。百八個の煩悩を一つずつ繰って数えながら念仏を唱えてきたことから、「念珠」と呼ばれるのです。真宗の教えでは、お念仏によって煩悩が消えるわけではありませんが、この様にして煩悩の我が身が自覚されてきたのでしょう。そこに阿弥陀様に手を合わせるということが起こるのです。
僧侶が用いる念珠は、お装束の軽重により種々なる形式のものを使用します。本装束念珠・半装束念珠・木念珠・略念珠等々が使用されます。
ご門徒さまが用いられている念珠は略念珠がほとんどだと思います。男性用の一輪念珠・女性用二輪念珠と一輪念珠(小念珠また略念珠)の三種類があります。
正式には百八個の主玉で構成されていましたが、略念珠は主玉の数を何等分かする事により一人でも多くの人に使用してもらえるようになりました。今日、念珠の玉は様々な素材を用いて作られています。また、腕輪念珠という普段からずっと身につけていられる物もあります。
念珠はもともと礼拝のための法具です。 特に真宗では念仏をする時に用いるので「念珠」なのです。念珠の玉の数や形にとらわれる事なく手を合わせるという気持ちを大切にしていただくことが一番大切な事です。
(第7組 慈雲寺 江村 勝友)