答え
お焼香は仏教の儀式には欠くこと の出来ないものであり、お釈迦さまの時代から行われていたと言われています。
『仏説無量寿経』というお経の中に「一切万物がみな、無量の雑宝や百千種の香をもって共に合成し、その香はあまねく十方世界に薫ぜん」と、お香を焚いて、すばらしい香りに満ちていると言われる極楽浄土の世界を表現することと伝えられています。その時に大切に考えたいことは、亡くなった方がお骨になって行く姿を通して、私たちに、逃れることの出来ない死の事実を教えて下さっていること。
そしていずれ我が身も同じように死んでいく身であるということを知る大切なご縁にして頂きたいと思います。
さてお焼香の仕方は、各宗派によって異なります。ですから、大勢の方が集まられるお葬儀や法事などで、いろいろなやり方でお焼 香されているのをご覧になりますと戸惑われることでしょう。
そこで、真宗大谷派の場合のお焼香の作法を説明させて頂きます。まず、お焼香の順番が回ってきましたら焼香台の前に進み、ご本尊を仰ぎ見て、身を正します。次にお焼香をします。左手を焼香台の端にそえ、右手で香をつまんで香炉の中に2回入れます。この時、つまんだお香を頂いたり、額のところへ持って行くようなことはしません。
最後に右手の指先で香盒(香を入れる仏具)の中の香の乱れを直してから静かに合掌します。合掌を解き、軽く頭を下げたあと元の席に戻ります。(焼香する前に合掌はしません)最近では、香炉と香盒を焼香盆に乗せ、順番に回していく「回し焼香」が多いようです。この場合も作法は同じです。
(第13組 心願寺 松井 恵)