「Q&A」お墓の方角が悪いと言われました。放っておいたら悪いことが起こりますか?

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答え
 お墓にまつわる迷信はたくさんあります。その中でも墓相で吉凶を見る墓相学と言われる占いの一種があります。しかもそれを主張する人によって、お墓の形や色や大きさ、環境、方角など墓相の内容はまったく異なり、因果関係もなければ統計さえもありません。まったく信じる必 要のないものです。親鸞聖人は、『一 念多念文意』の中に「占相・祭祀をこのむものは外道なり」と教えられています。占相とは、人の吉凶の相を占うこと。祭祀とは祖先や神々を祀ることです。墓相や、墓石の向き、場所などを気にすることはまったくありません。世間の「悪いことが 起こる」などという言葉に左右される必要はありません。そもそもお墓は、「悪いことを起こす」ような存在ではありません。もし毎日の生活の中で思いがけないことや、突発的なことが起こったとしても、それはお墓の方向が悪いからなどではありません。世の中の全ての出来事は、まず因(原因)があり、様々な縁(条件)が整った時に、果(結果)が生じるというお釈迦さまの教えである因縁果の法則からなるのです。

 正面に「南無阿弥陀仏」と書かれてある浄土真宗のお墓は、迷信によって不安がったり恐れたりす ることのない生き方を示しています。私たちは迷信に惑わされない南無阿弥陀仏の心をよく聞き取り自分の中に起こってくる不安や恐れの原因を見つめ直してみることです。その時こそ、さまざまな迷信から解放される歩みになるのであり、亡き人に報いることにもなるのです。

(第13組  心願寺  松井 恵)