天満別院では、四月八日(日)の十四時より同朋の会が開催されました。
今回は『正信偈』に出てくる天親菩薩について大阪教区第七組 敎應寺住職 建部 智宏師よりお話いただきました。
まず、天親菩薩のことをサンスクリット名ではヴァスバンドゥと呼ばれていること、また浄土真宗では天親菩薩と呼ぶことが一般的ですが、仏教一般から見れば世親と呼ばれることの方が多いことを教えていただきました。
天親菩薩には兄・無著がいて、初めは共に部派仏教の説一切有部を学んでいましたが、途中無著は大乗仏教の教えを学ぶようになり、天親菩薩と学びに違いが生じるようになりました。
大乗仏教はお釈迦様の願いを聞いていくことですが、兄である無著は天親菩薩が大乗仏教の教えを誹ることが悲しいことだとして、自身が病気であると嘘の手紙を天親菩薩に送り、話を聞いてもらおうと呼び寄せるほどに心配していました。
無著の勧めにより天親菩薩も大乗仏教を学ぶようになり、天親菩薩がそこで初めて『仏説無量寿経』に出遇い、それをどう思ったかを記したものが『浄土論』(『無量寿経優婆提舎願生偈』)です。
真宗聖典には、『仏説大無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』、それから天親菩薩が著した『浄土論』の三経一論が記されています。
親鸞聖人は『浄土論』があったからこそ『仏説大無量寿経』の教えが私にまで届いていたとおっしゃっています。その感謝の気持ちを述べた言葉が『正信偈』の「天親菩薩造論説」なのだと教わりました。
次回は五月十三日(日)に同朋の会がございます。
御講師には大阪教区第七組 長教寺住職 稲垣 洋信師にお越しいただきます。
皆様お誘い合わせの上、ご参拝くださいますようお願い申し上げます。