答え
お内仏やお墓には生花をお供えするのですが、夏場でお花が長持ちしない時期や、なかなかお参りに行くことができないお墓に綺麗な造花をお供えし たいお気持ちはわかります。
しかし、このお供えするお花はただお内仏の阿弥陀さんや墓前を綺麗にお 荘厳する為だけではありません。生花はお供えした時点から我々に命のはか なさや、尊さを教えてくださいます。それはお花の短い命が我々の生老病死 を体現し、留まることの出来ない私たちの命そのものを表現してくれていま す。そしてそれぞれの花の盛りや終わりが同一時期ではないように私たちの 生き方、そして命の終わり方も一つではないことを教えてくれています。
造花でしたら枯れずに綺麗なままその場を彩ってくれ大変便利なのです が、私たちの留まれない命そのものを表現するものでは無くなってしましま す。
お花が長持ちするしないではなく、季節季節にお庭で咲くお花、育ててお られるお花やお花屋さんで気に入ったお花を一輪でも結構ですのでお内仏 には生花をお供えしていただき、供わったお花が我々に教えを問うてくださ っていることに気づかせていただければと思います。
そして売っている仏花だけではなく、ご自身のお好きな季節のお花で楽し みながらお内仏やお墓を飾っていただければと思います。
(第12組 円照寺 桑田 和貴)