「Q&A」家族葬が当り前になりました。以前のようにもどすべきでしょうか?

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答え

 もどすべきです。なぜなら、弔問を、葬儀の参列を遠慮してもらうこ とで失われたものがいくつかあるか らです。経済的な事情や様々な背景 がある事と思いますが、世間に倣う必要はありません。

ひとつは、喪主のあいさつです。 弔問して下さった皆様へのお礼の言 葉、そこに含まれる亡き人の生き様 を発信する機会が失われました。縁深い方が喪主の役を担います。言葉 やその響きに亡き人との別れを、出会い直す場へと転換し続ける大事な最初の機会が喪主の言葉の響きに込められているのではないでしょうか。

もうひとつは、亡き人の仕事を奪っているということです。亡き人=仏さまの仕事は、出会いの場をつくることです。親の葬儀で、親の友だちが来てくれても知らないし対応できない、という話を聞きます。子である私の知らない親の話を教えてもらう場でもあるのです。そして、法事もそうですが、喪主が呼びかけて、参列者が来るのではなく、亡き人のはたらきによって、葬儀や法事に人々が集い、語り合う場が生まれるのです。家族葬にして大切なものを見失っているように思います。どうか、仏さまの仕事(人と人とが出会う場の創造)を奪わないで下さい。

(第13組    即念寺    洲﨑    善範)