答え
お仏壇(お内仏)の中で最も大事なものは、ご本尊・阿弥陀如来であります。ですが恐るべき土砂災害や河川洪水は待ったなしに起こります。前もって避難所へ行く荷物の中に入れることは難しいですし、余裕も時間もなく、たとえ持ち出せたとしても狭く限られた共同スペースで開くには無理があります。
本来、阿弥陀如来は私を救おうとする色も形もない、一人ひとりの拠りどころなる真実(まこと)の「はたらき」であり、それが形となって木像や絵像として表現されたものなのです。私たちのご先祖様はこの阿弥陀如来にご縁を頂かれました。そして今を生きる私たちにバトンを繋いで下さったのです。掌を合わす向こう側には祖先から阿弥陀如来へと続いていますので、過去帳もしくは過去帳の写しを避難カバンの中に入れてもらえたら良いかと思います。可能ならば携帯電話で写真を撮っておくのも一つの方法でしょう。しかしながら、もし用意できなくとも、落ち着いた時に心静かに掌を合わせていただければ、心配なさることはないかと思います。
どうぞお身体最優先で行動してくださいませ。
(第15組 本敎寺 善澤 信成)