答え
最近、供養の方法が多様化し「墓じまい」の数が過去最多となり納骨堂がパンクしているとか、お寺と檀家様の間で金銭的なトラブルが起こり「墓じまい」ができないというニュースを見聞きすることがあります。
「墓じまい」とは、ご遺骨の引っ越しのことです。お墓を撤去して更地にするだけで、お終いではありません。まず、ご遺骨の引っ越し先を探さなければなりません。樹木葬や合祀墓が選択肢になると思いますが、永代供養墓としながら実は使用期限がある霊苑も多いです。
真宗大谷派であれば、大谷祖廟や天満別院合祀墓への納骨も一つの方法です。
「墓じまい」のことで相談を受ける方のお話しで最も多いのが、子や孫も遠方に居て、お墓のことで迷惑をかけたくないということです。しかし、本当に子供たちは、両親のお墓を引き継ぎ守ることを迷惑と思っているのでしょうか。自分の親が亡くなった時、お墓に納骨して香華を供え「南無阿弥陀仏」と称え、お墓参りをしたいと思っていないでしょうか。
最も大事なことは、「墓じまい」を始める前に子や孫、親類縁者とお墓の相続の仕方について、十分に話し合い、家族の繋がりを今一度見直す契機とすることではないでしょうか。
色々な文化・生活様式を受け入れ、多様性を尊重する考えがもてはやされていますが、日本独自の文化・生活様式を守っていくことも、大事であると思います。
(第13組 敎安寺 洲﨑 善樹)