「Q&A」報恩講の『正信偈』のお勤めは普段と違うのはなぜですか?
答え
『正信偈』は正式には『正信念仏偈』と言います。「念仏の教えを正しく信ずるための道理を述べた歌」という意味をもつ偈(うた) です。
今から750年近い昔の鎌倉時代に親鸞聖人が記された主著『教行信証』「行巻」の最後の部分に収められている偈文であります。それを今日のように、朝夕のお勤めに用いるように定めたのは、本願寺8代蓮如上人によると言われています。
偈文と言いますのは「歌」ということです。お経と区別しています。『正信偈』は7言を一句として全体が120句で構成された仏の徳を讃える偈頌(ほめたたえる歌)です。
『正信偈』のお勤めの仕方には9種類あります。皆さんがよくお勤めになる「草四句目下」「行四句目下」「真四句目下」「句切」「句 淘」「舌々」「中読」「真読」「中拍子」です。「舌々」「中読」「真読」は墨譜と呼ばれ、拍子だけのお勤めで抑揚はないものです。お葬式のお勤めはこの「中読」または「真読」をお勤めさせていただきます。「草 四句目下」「行四句目下」「真四句目下」は書道・茶道などの真行草と思っていただければわかりやすいかと思います。軽い重いですね。お荘厳に合わせてお勤めするわけです。(視覚・聴覚)これらは、聞の称名と言われてました。それに対して唱和の称名と言われるものがあります。それは同朋奉讃のお勤めです。皆さんと一緒に声を出してお勤めをすることです。
報恩講は真宗門徒の1年の中で最も重い行事です。普段は軽いお勤めですが、今日は大切な日のお勤めと気付かされます。自身の1年を見つめ直し報恩講の御仏事を勤めさせていただきたいと思います。
(第15組 本敎寺 善澤 信成)